KIYOMI SOKOLOVA-YAMASHITA

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ソコロワ山下聖美 文芸研究室

いよいよトラワス。
林芙美子は昭和18年1月12日~17日まで
トラワスに滞在し、その後ももう一度トラワスを訪れた
という説もある。
トラワス村の村長の家に宿泊し、近隣をみてまわった記録が
メモや手帳に残されている。
一方で、雑誌にもトラワスを題材にした作品を書いている。
トラワス村、と言っても、実は少々ややこしく、
まずはそこを明らかにすることからスタート。
当時の「村」と現在の「村」は異なる。
当時は、「村」のなかにいくつかの「区」が存在したらしい。
トラワス村の中に「トラワス区」とか「タミヤチン区」などがあった。
現在は、「区」の中に「村」がある。
トラワス区の中に「トラワス村」や「タミヤチン村」があるのだ。
つまり、芙美子が当時宿泊したトラワス村の村長とは、
現在の「村」の村長ではなく、もっと大きい「区」の長となる。
ややこしい・・・
さて、芙美子は1月17日に「ブッダ」を見た、と記録に残している。
さらに作品「南の田園」に「空から降ってきた佛陀」として
仰向けになった佛陀のことを詳しく描いている。
仰向けになった佛陀・・・?
ありました!
1990年に仰向けの状態から起こされたとのこと
だが、確かに昔は仰向けだったそうだ。
山道をのぼり・・・
daibutuhe.jpg
昔は仰向けだった佛陀。
daibutu.jpg
ちなみにトラワス一帯は、風がそよそよ、すずしくて、
本当に気持ち良い。芙美子も書いているように、
信州のようなのです。
ここならばもう一度訪れても良いかなと
思った芙美子の気持ちがわかる。

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