7Sep
林芙美子『浮雲』におけるダラットの描写(とくに宿泊先など)
はダラットの様々な場所がミックスされている可能性が高いと感じる。
グエン朝最後の皇帝、バオダイの別荘もまた、芙美子が訪れ、
作品の一部にしたのではないだろうか。
バオダイの別荘は三つある。
以下の写真はバオダイ別荘Ⅲ。
現在では観光地としてにぎわっている。
別荘からは湖は見えないが、ランビアン山が見える。
別荘内にはグランドピアノがある。(左奥)
「浮雲」のダラットの場面にはピアノの演奏場面が
何回か描かれるが、このピアノであろうか?
ゆき子の住んでいた場所(部屋、階段、食堂など)
の大きさの感覚も類似している。
ちなみに別荘Ⅰ、Ⅱからもランビアン山が望めるという。
大きさも類似している。
バオダイの別荘、そしてランビアン・パレス、
これらのミックスがゆき子と富岡の宿泊所であるのではないか。