Соколова Kiyomi Yamashita

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山下聖美 文芸研究室

林芙美子『憂愁日記』にみる「死」の日

『憂愁日記』読了。
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これも全集には入っていませんが、とても面白い作品。
パリ滞在から、船での帰国、そして東京での生活から父の死まで
芙美子独特の〈生活力〉に満ちた文体で描かれています。
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気になるのが、6月28日の記述。↓
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6月28日と言えば、19年後の6月28日、
芙美子はぽっくりと死んでしまいます。
昭和7年のこの日、つまり、後の命日にあたる6月28日に、
「死」についての記述があると、
なんだか予言性があり、
不思議な感じがするのですが。
ちなみに宮沢賢治もまた
昭和6年9月21日に「死」を予感したのか、
両親にあてて遺書を書いています。
二年後の9月21日、賢治は本当に亡くなってしまいました。
文学者というのは、「書く」ことで
自らの未来と結びついていく人間なのでしょうか・・・

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