CATEGORY林芙美子の研究
林芙美子と戸隠
林芙美子は「戸隠山」という作品の中で、 「長野の駅で降りて善光寺裏から、七曲の 胸突くやうな坂道を登ると、広々とした飯綱原へ出ます。 ここでは様々な小鳥の声が聴かれます。 上を見あげると、白雲高くして嵯峨たりで、雲の去来も まことに見事です…
林芙美子が滞在した「お宿 諏訪」
湯田中から電車で長野駅に戻り、 今度はバスに揺られること約一時間。 こんな緑の中をくぐり抜け・・・ 湖や高原を抜けて・・・ 戸隠に到着。 なんだか神秘的なところです。 「お宿 諏訪」はこちら↓ 昭和二十年に昔の宿は焼失してしまいました…
志賀高原ロマン美術館の「わたし林芙美子」展
長野県の上林温泉にある 志賀高原ロマン美術館で 「わたし林芙美子展」が開催されています。 芙美子の作品にもよく登場する湯田中の駅。 ここからタクシーで10分ほどで美術館に到着。 長野と言えば、林芙美子文学館や、 塵表閣、夫・手塚緑敏の実…
林芙美子『鼈』と潮来
『鼈』という林芙美子の作品があります。 作品の舞台は茨城県の潮来。 季節はちょうど5月か6月で、 雨の夜、あやめが咲いている描写が印象的、かつ 大変シュールな作品です。 ちょうど梅雨だし、雨の中、潮来のあやめを見に行こうかな、 と思ってい…
日芸から林芙美子記念館までウォーキング
昨年、実習授業で作った 日本大学芸術学部―林芙美子記念館 のウォーキングマップ片手に、 本年度の実習メンバーでお散歩。 途中、見どころスポットがいくつかあるので 立ち寄ったりふらふらしたりする時間を入れて 、50分、林芙美子記念館に到着。 …
林芙美子『野麦の唄』と伊香保「金太夫」
林芙美子『野麦の唄』読了。 作品の冒頭の舞台は、伊香保の旅館「金太夫」。 「金太夫」と言えば、『浮雲』などにも描かれているので、 ちょうど二年前に調査に訪れました。 現・竹久夢二記念館館長の木暮さんの実家が 「金太夫」を経営しており、い…
林芙美子と京都 その2
林芙美子は意外に京都好きであったようで、 京都を舞台にした作品がけっこうあります。 「雨」「かもめ」「京都」「風媒」「愛情傳」などなど・・・ このなかで私が最も好きなのは 「御室の桜樹」です。 伊藤ナミさんらしき人も登場し、 旅館で繰り広げ…
林芙美子と京都 その1
週末の京都、第一の目的は 京都造形芸術大学です。 志賀公江先生と牛田あや美さんが勤務する マンガ学科へお邪魔しました。 清水先生が講演をし、私と藤野くんは後ろで日芸の学生たちとの 反応の比較などを観察。 講演終了後は大学を見学。 京都の街…
林芙美子『憂愁日記』にみる「死」の日
『憂愁日記』読了。 これも全集には入っていませんが、とても面白い作品。 パリ滞在から、船での帰国、そして東京での生活から父の死まで 芙美子独特の〈生活力〉に満ちた文体で描かれています。 気になるのが、6月28日の記述。↓ 6月28日と…
林芙美子とペン部隊
今年の研究実習は、盛りだくさんな企画ばかり。 林芙美子関連、日野日出志展示、金のたまご文学賞運営、 そして「Literary Arts」作成など、週一の授業では 足りないくらいです。 先週は国会図書館にてリサーチ実習、 本日は大学にて林芙美…
林芙美子と満州 その4 「戦争があんまり好きぢゃない」
林芙美子の『哈爾賓散歩』には 次のようにも書かれています。 「日露戦争の跡も見て来たかったのですが、 小心者の私は、戦争があんまり好きぢゃないので、 旅順の二百三高地へはわざと行かないで止めてしまひました。」 日本人にとっては栄光(?)の…
林芙美子と満州 その3 満鉄本社と大和ホテル
大連に降り立った芙美子はすぐに、 満鉄本社に向かいます。 今も残る満鉄本社建物。 ここで芙美子は長春までの鉄道切符を買おうと しますが、「個人の場合はダメ」と言われてしまったようです。 (しかし、その後、理事にかけあって切符を手にする芙美…
林芙美子と満州 その2 「大連は素晴らしくいい町です」
『哈爾濱散歩』では不安な思いをもらしていた 芙美子ですが、8月27日に夫の手塚緑敏にあてた 絵葉書では、大連を満喫している 様子をこんなふうに、記しています。 「大連は素晴らしくいい町です。 朱色と緑の町、アカシヤの並木道を 白い馬車に乗っ…
林芙美子と満州 その1 大連に到着!
現在、林芙美子とアジア諸国との関連を調査中。 本日から2泊3日で中国・大連に調査旅行です。 林芙美子が初めて満州を訪れたのは 昭和5年8月中旬とされています。 最近、久保卓哉先生の調査で、 東京を出発したのは8月20日であることが判明しまし…
林芙美子『田園日記』と倶知安
林芙美子の長編小説『田園日記』には 北海道の大地が登場します。 芙美子は北海道とロシアのイメージを重ね合わせたのか、 物語の中でトルストイやドストエフスキーなどに触れており、 ちょっと興味深いものがあります。 北海道の中でもとくに倶知安、…
林芙美子『女の日記』と横浜
この一週間、大学と新宿歴史博物館の往復を繰り返し、 ガイダンスや授業のスタートにばたばたしていましたが・・・ 林芙美子の初版講読も続けています。 『薔薇』には、「薔薇」と「女の日記」が収録されています。 とくに「女の日記」、面白いです。 …
林芙美子処女詩集『蒼馬を見たり』出版会記念会をした「前川」
昭和四年七月七日、林芙美子の処女詩集『蒼馬を見たり』 の出版記念会が、駒形の鰻屋「前川」にて行われました。 「前川」は、今も営業中。 当時の場所は現在はこのように 石碑が建つだけですが、 すぐそばの川沿いに、立派なお店が建っています。 …
3月15日付「じゃかるた新聞」
3月15日付の「じゃかるた新聞」に、 インドネシア大学での国際シンポジウムの記事が掲載。 ジャカルタでの国際シンポジウムと言えば、 本日、国会図書館にて、本当ーにばったりと 同じゲストスピーカーであった歴史学者の内海孝先生と再会しました。…
林芙美子『女の復活』と大磯
林芙美子の戦中期作品をなるべく初版で読むことにしました。 『女の復活』は、南方従軍に行く直前に「前書き」などを 書き、出版作業をしていたもの。 南方に行く直前の芙美子の感覚、 そして、普通の人々がどのように戦争という日常を 生きていたのか…
林芙美子全集を作りたい
年度末の今、来年度の研究計画や授業のことをぐるぐると考えています。 ぐるぐるぐるぐる考えて一番強く思ったのは 「林芙美子全集を作りたいな」ということ。 もちろん、一年でできることではなく、大きな計画に なるのですが・・・ 不思議なもので、こ…